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マイペース70代

マイペース70代

成人式と着物

本日は「成人の日」である。
隣町に住む夫の親戚にも、成人式を迎える娘がいるので、数日前にささやかな「お祝」を届けてあった。
彼女達の家族も、以前は毎年のように我家に集まっていたのだが、この数年は色々な事情で集まれなくなっていた。
そんなこともあり、成人を迎えるSちゃんにも、二年ほど会っていなかった。
Sちゃんの母親(夫の姪)から
「成人式が終わったら、振袖姿を見せに行くからね」と電話が入ったのは、昨夜のことであった。
夕方、一家四人でSちゃん家族がやってきた。

総絞りの振袖姿のSちゃんは、本当に美しかった。
昨年の夏、「貸し衣装」を予約するつもりで行ったお店でこの振袖を見て、本人が一目で気に入ってしまったのだという。
しかし、それは残念ながら「貸衣装」ではなかったので、母親は慌てて他の貸衣装を「これ、いいんじゃない?」と薦めたが、最初に気に入ったものがダメだとわかってから、
娘の顔がシュンとしてしまったのを見て、母親はとうとうその振袖を購入することになってしまったとか・・。
断っておくが、Sちゃんは決してワガママな娘ではない。
だから、「その振袖じゃなきゃ、いや」とは、一言も言っていないようだ。
何事につけて我慢しがちな娘だからこそ、母親はせっかくの成人の祝いなのだから奮発しようと思ったのだろう。
そんないきさつを黙って聞いているSちゃんに、「良かったね。本当によく似合うよ。お母さんとお父さんに、感謝しなくちゃね」というと、「はい」とニッコリと笑って頷いた。
地味な色合いなので、これは袖を詰めれば生涯着れそうである。
「ひょっとすると、おばあちゃんになっても着ることが出来るかもよ」と、けちな私は思わず言ってしまった。
二十歳の娘に、自分がおばあちゃんになった姿なんて想像もできないだろうに。
(でも、意外なほど早く年を重ねるものですよ。あっという間におばあちゃんになってしまうのが、人生というものです。)

私には娘がいないので、息子の成人式にも安物の背広を買った程度で終わった。
だから、「振袖」がどの程度の値段のものなのか、全くわからない。
テレビなどで各地の「成人式」の様子を見ると、女性はほとんどが「振袖姿」のようだ。
日本の着物文化は、かろうじて成人式の振袖と、花火大会の浴衣で保たれているのかもしれない。
日本から「和服」が消えてしまったら、日本ではなくなってしまうような気もする。
成人式を多額のお金をかけて開催する意義については、色々な意見もあるだろうが、和服の伝承という意味では、大きな意義があるのかも・・。

2005年01月10日


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